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2022.04.12 ブログ
超高齢社会の日本では、認知症は「身近な疾患」となってます。当医院 歯科におきましても訪問診療をしていることから認知症の患者さんと接する機会は多くあります。
身近な疾患であり、どの世代の方々も1度は考える疾患だと思いますので、今回は認知症の定義、基礎知識について記述しようと思います。
まずはじめに、日本神経学会の『認知症疾患治療ガイドライン』によれば、認知症とは下記の疾患と定義されています。
認知症とは、アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態をいうとのことです。
認知症の主な症状は、下記1〜5の「中核症状」と、6の「周辺症状」とに大別できます。
1 記憶障害
2 見当識障害(時間や場所がわからなくなる)
3 理解力・判断力の低下
4 失語・失行(日常的にできていたことができなくなる)、失認(目の前のものが何かわからない)
5 遂行機能障害(約束が守れない)
6 行動・心理症状(BPSD)
また、認知症の分類は、脳細胞の変性のない「神経変形性疾患」と、変性のある「脳血管障害」、「混合型」、「その他(感染性疾患など)」に分けられます。
また、認知症の検査には、改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)、FAST(Functional Assessment Staging of Alzheimer’s Disease)など、スクリーニングを質問形式で行うものがあります。その後、必要に応じて脳画像検査(CT、MRI、SPECT)を行います。
認知症に対する治療は基本的には対症療法となり、根本的な治療は現在のところありません。
このことを踏まえて次回は認知症患者の歯科診療について述べたいと思います。