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2023.09.19 ブログ
鹿児島大学は6月4日、お口の体操の1つである「あいうべ体操」による、子どもの“お口ぽかん”(口唇閉鎖不全)に対する効果が明らかになったことを発表しましたので皆様と共有したいと思います。
子どもの口唇閉鎖不全は、日常的に唇が開いた状態になってしまうため、口腔乾燥を引き起こします。さらに、口腔乾燥は、う蝕や歯肉炎を引き起こし、口腔内環境を悪化させるといわれています。
また、口唇閉鎖力が弱いと、歯を取り囲んでいる口唇や頬、舌の力のバランスが崩れてしまい、歯列不正の原因となることが少なくありません。
さらに、アレルギー疾患を誘発することや姿勢が悪くなる、集中力が低下するなどの弊害も報告されています。
このことから口唇閉鎖不全は積極的に対応するべき歯科疾患であるといえます。
口唇閉鎖不全に対しては、鼻づまりや極端な歯列不正の異常がある場合を除き、口唇閉鎖力を強化させるための体操を優先して行いますが、子どもに対する体操の効果やその有効性については明確にされていないのが現状でした。
そのため、今回の研究グループは、未就学児に対し「あいうべ体操」を実施し、その効果について検証しました。
結果、口元の形については、あいうべ体操群は上唇、下唇、上下唇いずれも引き締まる傾向がありましたが、対照群は上唇、下唇、上下唇いずれもより前に出る傾向があり、口唇閉鎖不全の状態が見た目でも分かりやすくなる可能性が示唆されました。
このことから、口唇ならびに顔面周囲筋のトレーニング「あいうべ体操」は、口唇閉鎖不全を解消する方法の1つとして有効であることが判明しました。
これまで歯科では、虫歯治療、歯周病治療に重点が置かれてきましたが、近年は、口腔機能も重要視されるようになってきました。
子どもに対する口腔機能の訓練は、将来起こり得る口腔機能の発達不全を未然に防ぐためにも必要なアプローチだと考えます。
当医院 歯科では、口唇閉鎖不全のお子様にはあいうべ体操、プレオルソ、拡大床等お子様の状態に応じて対応しています。
何か気になる点がありましたら当医院 歯科までご連絡下さい。